「自分の避難場所がどこか、即答できますか?」
この質問に自信を持って答えられる方は意外と少ないものです。避難場所を知らない、ハザードマップを見たことがない、という状態で大きな災害が起きたら、混乱のなか適切な行動を取ることは難しくなります。
この記事では、避難場所の正しい調べ方、ハザードマップの見方、そして実際に歩いて避難ルートを確認するまでの手順をわかりやすく解説します。
避難場所と避難所の違い|正しく理解して命を守る
まず最初に押さえておきたいのが、「避難場所」と「避難所」は別物だということです。この違いを知らないと、災害時に間違った場所へ向かってしまうリスクがあります。
避難場所(指定緊急避難場所)
- 目的:災害の危険から命を守るために一時的に逃げる場所
- 例:公園、広場、高台など
- 特徴:災害の種類(地震・洪水・土砂災害など)ごとに指定されている
- 滞在時間:危険が去るまでの短時間
避難所(指定避難所)
- 目的:自宅に住めなくなった場合に一定期間生活する場所
- 例:学校の体育館、公民館など
- 特徴:食料・毛布などの物資が配給される
- 滞在時間:数日〜数週間
なぜ区別が重要なのか
たとえば洪水が迫っているのに、浸水リスクのある低地の避難所へ向かってしまったら逆に危険です。まずは避難場所で安全を確保し、その後必要に応じて避難所へ移動するという流れを覚えておきましょう。
洪水時の避難場所と地震時の避難場所が異なるケースも多いため、災害の種類ごとに確認しておくことが大切です。
自分の避難場所の調べ方【3つの方法】
方法1:自治体のホームページで確認する
最も確実な方法です。「(自分の市区町村名)避難場所 一覧」で検索すると、指定避難場所の一覧ページが見つかります。
- 災害種別ごと(洪水・地震・土砂災害・津波)に分かれている場合が多い
- PDFやExcelで一覧表が公開されていることもある
- 最寄りの避難場所だけでなく、複数の候補を確認しておくと安心
方法2:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」を使う
https://disaportal.gsi.go.jp/
全国のハザードマップ情報を一元的に閲覧できるサイトです。
- 「重ねるハザードマップ」:地図上に洪水・土砂・津波などのリスク情報を重ねて表示
- 「わがまちハザードマップ」:各自治体が公開しているハザードマップへのリンク集
- 住所を入力するだけで自宅周辺のリスクが一目でわかる
方法3:自治体が配布する紙のハザードマップ
- 市区町村の窓口(防災課など)で無料配布されている
- 転入届を出す際に渡される自治体もある
- 紙のマップは停電時にも使えるため、自宅に1部は保管しておく
確認したら必ずやること
- 避難場所の名前と住所をスマホのメモに保存
- 家族やパートナーと共有する
- Googleマップにピンを立てておくと、災害時にすぐ確認できる
ハザードマップの見方|洪水・土砂・地震それぞれの確認ポイント
ハザードマップは種類ごとに色分けされたリスク情報が表示されますが、「見方がわからない」という方も多いはずです。それぞれのポイントを押さえましょう。
洪水ハザードマップ
- 色の意味:浸水の深さを色で表現(黄色=0.5m未満、赤=3m以上など)
- 確認すべき点:自宅が浸水エリアに含まれるか、何階まで浸水する想定か
- マンションの2階以上に住んでいても、1階部分が浸水すれば孤立する可能性がある
- 近くの河川が氾濫した場合の浸水範囲を確認する
土砂災害ハザードマップ
- 土砂災害警戒区域(イエローゾーン):被害のおそれがあるエリア
- 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン):特に危険なエリア。建物の損壊リスクあり
- 山や崖の近くに住んでいる方は必ず確認すべき項目
- 大雨時に早めの避難判断をするための基準になる
地震ハザードマップ(揺れやすさマップ)
- 地盤の強さによって揺れの大きさが異なることを示す
- 埋立地や河川沿いの低地は液状化リスクが高い傾向
- 自宅の揺れやすさを知ることで、家具固定の優先度を判断できる
複数のマップを重ねて見る
ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」機能を使えば、洪水と土砂災害のリスクを同時に確認できます。自宅がどのリスクに該当するかを総合的に把握することが重要です。
避難ルートの作成手順|実際に歩いて確認すべき理由
避難場所がわかっても、そこまでの道を知らなければ意味がありません。特に夜間や悪天候のなかでは、普段通い慣れた道でも危険が潜んでいます。
ステップ1:地図上でルートを2つ以上決める
- メインルート:最短距離で避難場所に行ける道
- サブルート:メインが通れない場合の代替経路
- 川沿いや崖の近くを通るルートは避ける
- 幅の広い道路を優先する(建物倒壊で狭い道はふさがれやすい)
ステップ2:実際に歩いてみる
地図だけではわからない情報があります。
- ブロック塀:古いブロック塀は地震で倒壊しやすい。通学路にあれば要注意
- 自動販売機:転倒するとルートを塞ぐ可能性がある
- 道幅:車が停まっていると通れなくなる狭い道はないか
- 坂道・階段:高齢者や小さな子どもと一緒に避難できるか
- 夜間の暗さ:街灯が少ないエリアは懐中電灯が必須
ステップ3:家族と情報を共有する
- 避難ルートを紙に描いて自宅に貼っておく
- 可能であれば家族全員で一度歩いてみる
- 子どもにも「学校にいるときはここに逃げる」と教えておく
ステップ4:年に1回は見直す
- 新しい建物が建って道が変わることがある
- 自治体がハザードマップを更新している場合もある
- 防災の日(9月1日)を見直しのタイミングにするのがおすすめ
避難場所やハザードマップの確認は、10分もあればできる作業です。しかし、その10分が災害時の生死を分けることもあります。この記事を読んだ今日のうちに、まずはハザードマップポータルサイトで自宅の住所を入力してみてください。


コメント